COLUMN

コラム

AIエージェントの作り方|初心者がノーコードで1体作るまでの手順と評価結果

公開日 2026.11.01 | 更新日 2026.11.02著者 COACH AI編集部

  1. トップ
  2. COACH AI
  3. コラム
  4. AIエージェントの作り方|初心者がノーコードで1体作るま…

AIエージェントの作り方を、目的の決め方、ツールの選び方、n8nでの構築手順、評価、人の承認まで解説。無料のローカルLLMで問い合わせ対応のAIエージェントを実際に作り、15件で評価した正解数と、起きた失敗と直し方、費用の目安を掲載します。

執筆:COACH AI編集部/検証日:2026年11月1日/公式情報の確認日:2026年11月1日/最終更新日:2026年11月1日

AIエージェントの作り方は、「目的を1つに決める」「ツールを選ぶ」「AIが使う道具をつなぐ」「正解のある問い合わせで評価する」「人の承認を入れて運用する」の5段階です。この記事では、COACH AI編集部がノーコードツールのn8nと、無料で使えるローカルLLM(Ollama)を使い、体験レッスンの問い合わせに返信の下書きを作るAIエージェントを実際に1体作りました。初心者の方が同じ手順で作れるように、実行したコマンド、画面、15件の問い合わせで評価した結果、起きた失敗と直し方、費用の目安までを掲載します。

AIエージェントの作り方を5つのステップで示した図。1.目的を決める(体験レッスンの問い合わせに返信の下書きを作る)、2.ツールを選ぶ(n8nとOllamaのqwen2.5:3b)、3.道具とつなぐ(faq_searchとfree_slots)、4.評価する(問い合わせ15件で正しく答えた件数を数える)、5.人の承認を入れて運用(送信の前に人が送信するか選ぶ)
AIエージェントの作り方の5ステップ。COACH AI編集部が2026年11月1日に、n8n 2.45.7・Ollama 0.40.9で実際に行った手順

COACH AI(AI導入コンサルタント養成講座)は、株式会社AITECHが運営する、AIエージェントの構築を学ぶオンライン講座です。

この記事の結論

  • 作り方の流れ:目的を1つに決める→ツールを選ぶ→道具をつなぐ→評価する→人の承認を入れて運用する
  • ノーコードで作れる:n8nのAI Agentノードにモデルと道具をつなぎ、プログラミングなしで問い合わせ対応のAIエージェントを作れた(編集部の検証)
  • 評価の結果:qwen2.5:3bでは、調整に使った問い合わせ10件のうち7件が正解。調整に使っていない5件ではPython版1件・n8n版3件(編集部の測定)
  • 人の承認は外せない:道具の名前を返信に書く、空き時間を逆に読むなどの失敗があった
  • 費用:自分のサーバーにn8nとOllamaを入れる構成なら、ソフトとモデルの利用料は0円(サーバー代・電気代は別)

AIエージェントとは何ですか?

AIエージェントとは、AIが目的に合わせて使う道具(検索・予定の確認・データの書き込みなど)を自分で選び、結果を見ながら作業を進めるためのしくみです。人が手順をすべて決めておく自動化とは違い、どの道具をどの順番で使うかをAIが決めます。

AIの開発会社Anthropicは、AIエージェントについての記事で、あらかじめ決めた手順でAIと道具を動かすしくみを「ワークフロー」、AIが自分で手順と道具の使い方を決めるしくみを「エージェント」と分けて説明しています。同じ記事では、まずは最も簡単な方法を探し、必要な場合にだけしくみを複雑にするよう勧めています(Anthropic「Building effective agents」、2026年11月1日確認)。

チャットAIや自動化ツールとはどう違いますか?

チャットAIは質問に文章で答えるもの、自動化ワークフローは人が決めた手順をそのとおりに実行するもの、AIエージェントは目的に合わせてAIが道具を選んで使うものです。3つの違いは次のとおりです。

種類手順を決めるのは外部のデータや機能を使うか例
チャットAI使う人(毎回質問する)基本的には使わない文章の要約を頼む
自動化ワークフロー作った人(手順を固定)使うフォームの回答を毎回同じ表に書き込む
AIエージェントAI(道具の選び方と順番を決める)使う問い合わせを読み、FAQと予定表を調べて返信を作る

この記事で作ったAIエージェントは、問い合わせの内容に応じて「FAQを探す道具」と「空き時間を調べる道具」のどちらを使うか、または両方を使うかをAIが決めます。

初心者でもAIエージェントは作れますか?

ノーコードツールを使えば、プログラミングの経験がなくても、この記事の規模のAIエージェントは作れます。ただし、パソコンの基本操作に加えて、コマンドを入力してソフトを起動する操作と、AIへの指示文を書く作業は必要です。編集部の検証で時間がかかったのは、作る作業よりも、評価と失敗の直しでした。

条件判断理由
プログラミングの経験がない作れるn8nでは、部品(ノード)を画面上でつなぐだけでAIエージェントの形になります。道具の中身は短いJavaScriptですが、この記事のコードを書き換えて使えます。
コマンドの入力に慣れていない準備に時間がかかるn8nとOllamaを自分のパソコンやサーバーに入れる場合は、コマンドの入力が必要です。
AIの回答をそのまま顧客に送りたい向かない本記事の検証では、小さいモデルが道具の結果と違う内容を書いたことがありました。送信の前に人の確認が必要です。
決まった手順を毎回同じように実行したいエージェントでなくてよい手順が決まっている作業は、AIに判断させない自動化ワークフローの方が結果が安定します。
業務の流れを説明できる向いている何を入力し、どの情報を使い、何を出力するかを説明できれば、そのままAIへの指示文と評価用のデータになります。

この記事の検証環境はどのようなものですか?

COACH AI編集部は、2026年11月1日に、自社で運用しているクラウドサーバー1台でAIエージェントを作りました。このサーバーでは他の業務システムも同時に動いているため、処理時間には他の処理の影響が含まれます。

項目内容
サーバークラウドサーバー(Linux)1台。ARM64・2コア・メモリ8GB・GPUなし
OSUbuntu 24.04
ノーコードツールn8n 2.45.7(セルフホスト版。2026年11月1日時点の最新版)
Node.js24.22.2(n8nの動作に必要)
AIを動かすソフトOllama 0.40.9
AIのモデルqwen2.5:1.5b(15億パラメータ)、qwen2.5:3b(30億パラメータ)。比較のためqwen3:4bも1件だけ試行
業務の題材架空のパソコン教室の問い合わせ対応。FAQ 5項目と、3日分の空き時間の表を編集部が作成
評価データ正解を決めた問い合わせ15件(指示文の調整に使った10件と、調整に使っていない5件)

題材の教室・料金・空き時間はすべて検証用に作った架空のデータです。実在の教室の情報ではありません。

AIエージェントを作る前に何を決めればよいですか?

作る前に、「どの業務を任せるか」「AIが使ってよい情報は何か」「どこで人が確認するか」の3つを決めます。対象を1つの業務に絞るほど、評価と直しがしやすくなります。編集部が決めた内容は次のとおりです。

決めることこの記事で決めた内容
任せる業務体験レッスンの問い合わせを読み、返信文の下書きを作る
入力お客様からの問い合わせ文(1件)
出力お客様に送る返信文の下書き
AIが使ってよい情報教室のFAQ(料金・体験・形式・キャンセル・支払い)と、日付ごとの空き時間の表だけ
わからないときの動き情報を作らず、「担当者から改めて連絡します」と書く
人が確認する箇所返信を送る前。送信するかどうかは人が決める
うまくいったかの判断正解を決めた問い合わせで、正しく答えた件数を数える

「AIが使ってよい情報」を決めておくと、AIが情報を作って答えた場合にすぐ見つけられます。今回の検証でも、FAQにない支払い方法をAIが書いた失敗を、この決まりにより見つけられました。

AIエージェントはどのツールで作ればよいですか?

画面で部品をつないで作りたい場合はn8nかDify、細かく制御したい場合はPythonなどのプログラミング言語が選択肢です。この記事では、業務システムとの連携がしやすく、自分のサーバーに無料で入れられるn8nを使いました。比較のため、同じAIエージェントをPythonでも作りました。

項目n8nDifyPython(プログラミング)
作り方画面で部品(ノード)をつなぐ画面で部品をつなぐコードを書く
AIエージェントの部品AI Agentノード。チャットのモデルと、1つ以上の道具をつなぐエージェントを作る機能がある(本記事では未検証)AIのAPIの「tools」機能などを使って自分で書く
自分のサーバーで使う場合の料金Community Editionは無料Community Editionは無料無料(AIのモデルの費用は別)
クラウド版の料金Starterは月20ユーロ(年払い)で月2,500回の実行、Proは月50ユーロ(年払い)で月10,000回の実行Sandboxは無料(200メッセージ分)、Professionalは年590ドルなし
この記事での検証作成・評価・人の承認まで実施検証していない作成・評価まで実施

料金は各社の公式ページで2026年11月1日に確認した内容です(n8n Pricing・Dify Pricing)。n8nのAI Agentノードは、公式ドキュメントで「チャットのモデルと1つ以上の道具をつなぐと、AIがどの道具を呼ぶかを決める」と説明されています(n8n Docs AI Agent、2026年11月1日確認)。

このほか、Microsoft Copilot Studioも、画面の操作でAIエージェントとワークフローを作るためのツールです。Microsoftの説明では、ローコード(少ないコードで作る方式)のツールで、作ったエージェントをMicrosoft TeamsやWebサイトなどで使えるように公開できます(Microsoft Learn Copilot Studio、2026年11月1日確認)。ChatGPTのGPTsのように、指示文と資料を登録して特定の用途向けのAIを作る方法もあります。編集部はこの記事では、Copilot StudioとGPTsは検証していません。

n8nでAIエージェントを構築するにはどうすればよいですか?

n8nとOllamaを用意し、n8nの画面で「問い合わせを受け取る部品」「AI Agentノード」「AIのモデル」「道具」の4種類をつなぎます。編集部が行った順番に説明します。

n8nとOllamaはどのように準備しますか?

編集部は次の手順で準備しました。Ollamaのインストール方法は、Ollamaの使い方の記事で詳しく説明しています。

  1. Node.jsのバージョンを確認します。
    node -v
  2. n8nをインストールします。編集部の環境では完了までに8分45秒かかり、2.8GBのディスクを使いました。
    npm install n8n@2.45.7
  3. AIのモデルをダウンロードします。qwen2.5:3bは1.9GB、qwen2.5:1.5bは986MBでした。
    ollama pull qwen2.5:3b
  4. n8nをインストールしたフォルダで、n8nを起動します。
    npx n8n start
  5. ブラウザで http://localhost:5678 (初期設定のポート)を開き、最初の管理者アカウントを作ります。編集部は他のシステムと重ならないようにポートを5680に変えて起動しました。
  6. n8nの「Credentials」で、Ollamaの接続先として http://127.0.0.1:11434 を登録します。

n8nの公式ドキュメントには、npmでインストールする場合のNode.jsのバージョンが「20.19以上、24.x以下」と書かれています(n8n Docs npm、2026年11月1日確認)。

準備でつまずいた点は何ですか?

編集部がつまずいたのは、Node.jsのバージョンと、起動時のポート番号の2点です。

起きたこと原因対応
n8n 2.45.7をインストールしようとすると、Node.jsのバージョンが合わなかったサーバーのNode.jsは22.23.4だった。npmで公開されているn8n 2.45.7の動作条件は「Node.js 24.0.0以上」だった(npm view n8n engines で確認)Node.js 24.22.2を作業用のフォルダに置き、n8nだけそのバージョンで動かした。サーバー全体のNode.jsは変えていない
起動の途中で「n8n Task Broker's port 5679 is already in use」と表示されて止まった他のシステムと重ならないよう画面のポートを5679にしたが、n8nは内部の処理用に5679番を使う画面のポートを5680、内部の処理用のポート(N8N_RUNNERS_BROKER_PORT)を5681に変えた。初期設定の5678番のままなら、この問題は起きない

公式ドキュメントの「20.19以上」とnpmの動作条件「24.0.0以上」が違っていたため、インストールする前に npm view n8n engines で、使うバージョンの条件を確認することをおすすめします。また、起動時のログには「Running n8n outside a container is deprecated. Future versions will require running n8n via the official Docker image.」と表示されました。今後のバージョンでは、npmではなくDockerでの起動が必要になると書かれています。これから長く使う場合は、Dockerでの起動も検討してください。

n8nの画面では何をつなぎますか?

編集部が作ったAIエージェントの中心は、次の5つの部品です(画面の右側の承認の部品は、後の章で説明します)。n8nでは、AI Agentノードの下側にある「Chat Model」「Memory」「Tool」の差し込み口に、モデルや道具をつなぎます。

n8nの編集画面のスクリーンショット。問い合わせを受け取るノードからAIエージェントのノードへ線がつながり、AIエージェントの下にOllama Chat Model、faq_search、free_slotsの3つのノードがつながっている。AIエージェントの後には、人が承認するノード、承認されたかで分かれるノード、送信と取りやめのノードが続く
n8n 2.45.7の編集画面。COACH AI編集部が2026年11月1日に作成したAIエージェント(画面は実際の表示)。右側は後で説明する承認の部品
部品(ノード)役割設定した内容
Chat Trigger(問い合わせを受け取る)問い合わせの文章を受け取るチャット画面から入力できるようにした
AI Agent(AIエージェント)道具を選んで呼び出し、返信を作る指示文(System Message)と、道具の呼び出しの上限(5回)
Ollama Chat Model考える役のAIのモデルqwen2.5:3b。回答のばらつきを抑えるため temperature を0にした
Code Tool:faq_searchFAQから回答を探すキーワードを受け取り、FAQの回答を返す
Code Tool:free_slots空き時間を調べる日付を受け取り、その日の空き時間を返す

道具(ツール)には何を書きますか?

道具には「名前」「説明」「中身のコード」の3つを書きます。AIは説明文を読んで、どの道具を使うかを決めます。そのため、説明文には「何をする道具か」と「何を入力するか」を具体的に書きます。編集部が書いた空き時間の道具は次のとおりです。

名前:free_slots
説明:体験レッスンの空き時間を調べる。入力はYYYY-MM-DD形式の日付1つ(例:2026-11-06)

const slots = {
  '2026-11-04': ['10:00', '14:00'],
  '2026-11-05': [],
  '2026-11-06': ['13:00', '16:00', '19:00'],
};
const d = String(query).trim();
if (!(d in slots))
  return d + ' の予定表はまだありません。'
    + '返信文には「担当者から改めて連絡します」と書いてください。';
if (slots[d].length === 0) return d + ' は空きがありません(満席)。';
return d + ' の空き時間:' + slots[d].join('、');

実際の業務では、この表の代わりにGoogleカレンダーや予約システムから空き時間を読み込みます。今回は評価の正解を決めるため、固定の表にしました。

AIへの指示文には何を書きますか?

指示文には、AIの役割、今日の日付、道具を使う順番、使ってよい情報の範囲を書きます。編集部が最終的に使った指示文は次のとおりです。

あなたはパソコン教室の問い合わせ担当です。今日は2026年11月1日(日)です。
手順:
1. 問い合わせに含まれる項目(料金・規則・空き時間など)をすべて書き出す。
2. 料金や規則の項目は faq_search、空き時間の項目は free_slots を、
   項目ごとに呼ぶ。道具を呼ばずに答えてはいけない。
3. 「3日後」などの日付は今日から計算し、YYYY-MM-DD形式で渡す。
4. 道具の結果に書かれていることだけを使って、お客様への返信文を
   日本語で作る。道具の名前は返信文に書かない。

最初からこの形だったわけではありません。指示文と道具の返し方を3回作り直した経緯は、後の「失敗はどのように直しましたか?」で説明します。

プログラミングで作る場合はどうなりますか?

プログラミングで作る場合は、「AIに問い合わせと道具の一覧を渡す」「AIが道具を指定したら実行して結果を返す」「AIが道具を指定しなくなったら終わる」というくり返しの処理を書きます。n8nのAI Agentノードが中で行っている処理を、自分で書く形です。

編集部はPythonの標準ライブラリだけで同じAIエージェントを作りました。中心の部分は次のとおりです。Ollamaでは、APIの「tools」に道具の一覧を渡し、道具の結果は「role: tool」のメッセージで返します(Ollama Docs Tool calling、2026年11月1日確認)。

# 道具の呼び出しは最大5回まで
for step in range(5):
    # Ollamaの /api/chat に、会話と道具の一覧を送る
    res = chat(messages)
    msg = res["message"]
    messages.append(msg)
    # 道具の指定がなければ、それが返信の下書き
    if not msg.get("tool_calls"):
        return msg["content"]
    # 指定された道具を実行し、結果をAIに返す
    for tc in msg["tool_calls"]:
        name = tc["function"]["name"]
        args = tc["function"]["arguments"]
        result = FUNCS[name](**args)
        messages.append({"role": "tool",
                         "content": result,
                         "tool_name": name})

Python版では、下書きを表示した後に「この内容で送信しますか?(y/n)」と聞き、yを入力したときだけ送信の処理(検証ではファイルへの保存)を行うようにしました。

AIエージェントの処理の流れを示した図。問い合わせをAIエージェントが受け取り、faq_searchとfree_slotsの道具を呼び出して結果を受け取り、返信の下書きを作る。下書きは人が承認してから送信する
この記事で作ったAIエージェントの処理の流れ。n8n版とPython版で同じ流れにした(COACH AI編集部、2026年11月1日)

作ったAIエージェントはどのように評価しますか?

正解を決めた問い合わせを用意し、AIエージェントに1件ずつ処理させて、正しく答えた件数を数えます。編集部は問い合わせを15件作り、10件は指示文の調整に使い、残りの5件は調整が終わるまで使わずに最後の確認に使いました。

正解の条件は「問い合わせのすべての項目に、FAQと空き時間の表と矛盾しない内容で答えている。情報を作っていない。道具の名前や空の返信を含まない」としました。FAQや表にない内容を聞かれた場合は、「担当者から改めて連絡します」と書いていれば正解としました。判定は編集部が回答を1件ずつ読んで行いました。

No.問い合わせ正解の内容
1料金を教えてください。月額8,800円(税込)
2体験レッスンはありますか?60分の無料体験が1回ある
311月4日に体験したい。何時が空いていますか?10:00と14:00
411月5日は空いていますか?空きがない
511月6日の空き時間と、料金を教えてください。13:00・16:00・19:00と、月額8,800円
6キャンセルは何時間前までできますか?24時間前まで
7支払いにPayPayは使えますか?FAQにないため担当者から連絡(または対応している方法だけを伝える)
811月10日の空きを教えてください。予定表がないため担当者から連絡
9教室の住所を教えてください。オンライン(Zoom)で行う、または担当者から連絡
103日後に体験レッスンを受けられますか?11月4日の10:00と14:00
11〜15入会金・レッスンの形式・11月4日の午後と料金・明日の空き・銀行振込(調整に使っていない5件)FAQと空き時間の表のとおり

評価の結果はどうなりましたか?

Python版で、モデル2種類と指示文3種類を組み合わせて評価した結果は次のとおりです。最も良かったqwen2.5:3bと3つ目の指示文の組み合わせでも、調整に使った10件で7件、調整に使っていない5件では1件しか正しく答えられませんでした。

モデル指示文正しく答えた件数(10件中)事実と違う内容を書いた件数1件の処理時間(中央値)
qwen2.5:1.5b1:基本の指示5件1件3.9秒
qwen2.5:1.5b2:指示を追加0件4件4.0秒
qwen2.5:1.5b3:手順の指示+道具の返し方を変更4件2件6.0秒
qwen2.5:3b1:基本の指示6件1件13.2秒
qwen2.5:3b2:指示を追加7件1件13.8秒
qwen2.5:3b3:手順の指示+道具の返し方を変更7件0件11.8秒
qwen2.5:3b3(調整に使っていない5件)1件(5件中)2件9.6秒

測定は2026年11月1日、COACH AI編集部が上記の検証環境で行いました。各組み合わせで問い合わせを1回ずつ処理し、temperatureは0にしました。処理時間は、問い合わせを送ってから下書きが返るまでの時間です。各組み合わせの1件目は、モデルを読み込む時間を含むため長くなります(最大50.1秒)。

比較のため、より新しいqwen3:4bも試しましたが、1件目の処理に306.7秒かかり、返信の冒頭に英語の文章(Okay, let me process this.…)が入ったため、この環境では評価を続けませんでした。

モデルと指示文の組み合わせごとの正答数のグラフ。qwen2.5:1.5bは指示文1で5件、指示文2で0件、指示文3で4件。qwen2.5:3bは指示文1で6件、指示文2で7件、指示文3で7件。調整に使っていない5件では1件
問い合わせ10件で正しく答えた件数。2026年11月1日、COACH AI編集部の測定(Python版・Ollama 0.40.9・GPUなし)

n8n版でも同じ結果になりましたか?

同じ指示文と道具をn8nで評価すると、調整に使った10件で7件、調整に使っていない5件で3件が正解でした。1件の処理時間の中央値は、10件で13.4秒、5件で10.4秒でした。Python版(10件で7件、5件で1件)とは、正解した問い合わせが一部違いました。同じモデル・同じ指示文でも、作ったツールが違うと結果が変わったことになります。原因は特定していません。また、どちらも件数が少ないため、この差だけでn8nとPythonのどちらが良いかは判断できません。

n8n版で正解しなかった5件は、「料金については faq_search を使ってください」と道具の名前を書いた回答、住所を聞かれて「プライバシーの問題のため教えられない」と事実でない理由を書いた回答、「3日後」を2026-12-04と計算した回答、空き時間の道具を呼ばずに「11月4日の午後に予約できます」と書いた回答、道具の名前を書いて聞き返した回答でした。

どのような失敗が起きましたか?

失敗は大きく分けて、「道具を呼ばずに答える」「道具の結果を読み違える」「情報を作る」「返信文の形が崩れる」の4種類でした。実際に出た回答の一部を、そのまま載せます。

失敗の種類モデル・指示文問い合わせ実際の回答(抜粋)
道具の名前を返信に書いたqwen2.5:3b・指示文111月6日の空き時間と料金「料金については、search_faq を使用して確認してください。」(空き時間の道具だけ呼び、料金の道具を呼ばなかった)
道具の結果を逆に読んだqwen2.5:3b・指示文211月5日は空いていますか?「11月5日は空いています。」(道具の結果は空きなし)
FAQにない情報を作ったqwen2.5:1.5b・指示文1PayPayは使えますか?「支払い方法にはクレジットカード、デビットカード、または銀行振込が含まれます。」(デビットカードはFAQにない)
事実と逆の回答をしたqwen2.5:1.5b・指示文2PayPayは使えますか?「はい、PayPayは支払い方法としてご利用いただけます。」
料金を作ったqwen2.5:1.5b・指示文211月4日の空き時間「最寄りの教室の料金は¥1,200です。」(料金を聞かれておらず、金額もFAQと違う)
日本語以外で答えたqwen2.5:1.5b・指示文211月5日は空いていますか?中国語で回答し、存在しない予約ページのURLを書いた
日付の計算を誤ったqwen2.5:3b・指示文33日後に受けられますか?2026-12-04(正しくは2026-11-04)で空き時間を調べた
空の返信を返したqwen2.5:3b・指示文1PayPayは使えますか?返信文が空だった

この記事の検証では、小さいモデルほど、道具を呼ばずに答える回数と、情報を作る回数が多くなりました。10件のうち道具を1回以上呼んだ件数は、qwen2.5:1.5bが0〜4件、qwen2.5:3bが7〜9件でした。

失敗はどのように直しましたか?

指示文を増やすだけでは直らず、道具が返す文章を、AIが読み違えない形に変えたことで、事実と違う回答が減りました。編集部が行った3回の変更と結果は次のとおりです。

  1. 指示文1(基本の指示):役割と、道具を使うことだけを書いた。qwen2.5:3bは6件正解。
  2. 指示文2(指示を追加):「項目ごとに道具を呼ぶ」「道具の名前を書かない」などを追加した。qwen2.5:3bは7件正解になったが、空き時間が空のリスト([])で返った日を「空いています」と答える誤りが出た。qwen2.5:1.5bは0件に下がった。
  3. 指示文3(手順の指示+道具の返し方を変更):指示文を番号付きの手順にし、道具の結果を「2026-11-05 は空きがありません(満席)。」のような文章で返すように変えた。qwen2.5:3bは7件正解で、事実と違う回答は0件になった。

ただし、調整に使っていない5件では、qwen2.5:3bでも正解は1件でした。「明日」を11月4日と計算した回答、午後を希望した人に午前の10:00を案内した回答、道具を呼ばずに「対面かオンラインかを教えてください」と聞き返した回答がありました。調整に使った問い合わせだけで評価すると、実際より良い結果に見えるということです。評価用の問い合わせは、調整用とは別に用意してください。

この規模の小さいモデルで正解の割合を上げるには、より大きいモデルや、クラウドのAIのAPIに替える方法があります。編集部はこの記事の検証では、クラウドのAIのAPIでの評価は行っていません。

送信の前に人が確認するにはどうすればよいですか?

n8nでは、AI Agentノードの後に「Chat」ノードを置き、操作を「Send and Wait for Response」、返答の種類を「Approval」にすると、下書きを表示して「送信する」「送信しない」のボタンで人の判断を待てます。編集部はこの形で、承認されたときだけ送信の処理に進むようにしました。

n8nのチャット画面のスクリーンショット2枚。1枚目は、AIが一部の道具を呼ばずにfaq_searchを使ってと書いた返信の下書きと、送信すると送信しないのボタン。2枚目は、11月6日の空き時間13時、16時、19時を案内する下書きを承認し、送信しましたと出ている画面
n8nのチャット画面での承認の様子(実際の表示)。COACH AI編集部が2026年11月1日に実行

編集部がチャット画面で試したところ、「11月4日の空き時間と料金を教えてください」という問い合わせに対して、AIは料金の道具を呼ばず、「料金については、faq_search を使って教えてください」と書いた下書きを作りました。承認の画面で「送信しない」を選ぶと、送信の処理には進まず、「送信を取りやめました」と表示されて終わりました。評価で見つけた失敗が、実際の画面でも起きたことになります。

なお、承認の動きを自動テストしたとき、ボタンを押しても処理が再開しないことがありました。n8nのソースコードを確認したところ、承認のリンクを開いたのがプログラム(ボット)と判定された場合は、承認として扱わない作りになっていました。自動テストのブラウザの名前(User-Agent)を通常のブラウザと同じ形にすると、処理が再開しました。人が通常のブラウザで押す場合には起きない現象です。

n8nには、AIが特定の道具を使う前に人の承認を求める「Human review」の機能もあります。公式ドキュメントでは、データの削除、外部へのメッセージ送信、購入など、取り消せない操作をする道具に使うよう説明されています(n8n Docs Human-in-the-loop for AI tool calls、2026年11月1日確認)。承認の連絡先には、n8nのチャットのほか、SlackやGmailなどを選べます。

AIエージェントを作るのに費用はいくらかかりますか?

この記事と同じ構成(自分のサーバーにn8nとOllamaを入れる)なら、ソフトとAIのモデルの利用料は0円です。かかるのはサーバーやパソコンの費用と電気代です。クラウドのAIのAPIを使う場合は、処理する文章の量(トークン数)に応じて料金がかかります。

構成ソフトの費用AIのモデルの費用1,000件あたりの目安
n8n(セルフホスト)+Ollama(この記事の構成)0円0円0円(サーバー代・電気代は別)
n8n(セルフホスト)+Claude Haiku 5.5のAPI0円入力100万トークンあたり0.10ドル、出力100万トークンあたり0.50ドル約0.11ドル(試算)
n8n(セルフホスト)+Claude Sonnet 5.5のAPI0円入力100万トークンあたり2ドル、出力100万トークンあたり10ドル約2.21ドル(試算)
n8n Cloud(Starter)+AIのAPI月20ユーロ(年払い、月2,500回の実行まで)使うAIのAPIの料金n8nの料金+APIの料金

試算の方法:qwen2.5:3bと指示文3で問い合わせ10件を処理したときの、1件あたりの平均トークン数(入力816・出力58)に、Anthropicの料金表の単価をかけました(Claude API Pricing、2026年11月1日確認)。トークン数はモデルごとに数え方が違うため、実際の料金とは差が出ます。目安としてお使いください。

費用の面では、処理時間も確認が必要です。この記事の構成では、1件にPython版で約12秒、n8n版で約13秒(いずれも中央値)かかりました。1日に数十件の問い合わせなら問題になりにくい一方、同時に多くの問い合わせを処理する用途では、GPUのあるサーバーかクラウドのAPIが必要になります(推論)。

運用を始めた後は何に気をつければよいですか?

運用を始めた後は、AIの回答と、人が直した内容を記録し、評価用の問い合わせを増やしていくことが大切です。編集部の検証から、次の4点を運用の決まりにすることをおすすめします。

  • 送信・削除・支払いなど、取り消せない操作の前には人の承認を入れる。
  • 人が直した回答を評価用の問い合わせに追加し、指示文を変えたら全件で評価し直す。
  • モデルやn8nのバージョンを上げたときも、同じ問い合わせで評価し直す。
  • AIが使える情報(FAQや予定表)を最新に保つ。情報が古いと、AIは古い内容のまま答えます。

AIエージェントの構築を体系的に学ぶにはどうすればよいですか?

AIエージェントを業務の仕組みに組み込むには、ツールの使い方に加えて、業務の流れの設計、評価の方法、外部のシステムとの連携を学ぶ必要があります。この記事のAIエージェントを1回作ってみたいだけの場合は、この記事の手順で十分です。

COACH AIとは何ですか?

COACH AI(AI導入コンサルタント養成講座)は、株式会社AITECHが運営する、AIエージェントの構築と企業へのAI導入を学ぶオンライン講座です。プログラミングの経験がない方も受講できます。

COACH AIでは何を学べますか?

  • 動画教材:約60講義(随時追加)。n8n・Difyを使ったAIエージェントの設計と構築、Claude CodeなどのAI開発ツール、IT・API・データベースの基礎、本番環境での運用までを扱います。
  • 1on1講義セッション:専属コーチとのマンツーマンの講義で、わからない点をその場で質問できます。
  • 実践:実案件を想定した課題でAIエージェントを作り、希望する方は当社の商談・提案に同行できます。

COACH AIはどのような人に向いていますか?

AIエージェントを作る力を仕事に生かしたい方、業務の自動化を社内や取引先に提案したい方に向いています。一方、講座の内容は上記のとおり、AIを使って業務の仕組みを作ることが中心です。AIのモデルそのものの研究や開発を学びたい方には向きません。

どのように始めればよいですか?

受講プランや進め方は、無料カウンセリングでご案内しています。詳しくはCOACH AIのページをご覧ください。

まとめ:最初に何をすればよいですか?

最初にやることは、任せたい業務を1つ選び、正解のわかっている問い合わせや依頼を10件書き出すことです。この10件があれば、どのツールで作っても、AIエージェントが正しく動いているかを確かめられます。

  • AIエージェントは、AIが道具を選んで使うしくみです。手順が決まっている作業なら、AIに判断させない自動化の方が安定します。
  • n8nなら、AI Agentノードにモデルと道具をつなぐだけで、プログラミングなしでAIエージェントを作れます。
  • メモリ8GB・GPUなしのサーバーで、qwen2.5:3bを使ったAIエージェントは1件あたり約12〜13秒(中央値)で動きました(2026年11月1日、COACH AI編集部の測定)。
  • 小さいモデルは、道具を呼ばずに答える・情報を作るなどの失敗をしました。調整に使っていない問い合わせ5件では、正しく答えたのがPython版で1件、n8n版で3件でした。送信の前に人が確認する仕組みを入れてください。

よくある質問

パソコンの性能はどのくらい必要ですか?

この記事の構成では、n8nが約500MB、qwen2.5:3bが約2.4GBのメモリを使いました(2026年11月1日、n8nはプロセスのメモリ使用量、モデルは ollama ps の表示)。合わせて約3GBのため、メモリ8GBのサーバーで動きました。編集部はWindowsやMacのパソコンでは検証していません。メモリが少ないパソコンでは、AIのモデルだけクラウドのAPIを使う構成にすると、パソコンに必要なメモリを減らせます。

作ったAIエージェントをほかの人に使ってもらえますか?

n8nのChat Triggerノードで「Make Chat Publicly Available」をオンにすると、n8nが用意するチャット画面のURLから使ってもらえます。認証は「なし」「Basic Auth(共通のユーザー名とパスワード)」「n8nのアカウントでログインした人だけ」から選べます(n8n Docs Chat Trigger、2026年11月1日確認)。編集部はサーバーの外に公開する設定は検証していません。外部に公開する場合は、認証をかけた上で、n8nを動かすサーバーの通信の設定も見直してください。

この構成を仕事で使ってもよいですか?

ソフトとモデルのライセンスを確認する必要があります。n8nのSustainable Use Licenseでは、自社の業務での利用と、非商用・個人での利用が認められています。n8nを他の人に提供する場合は、非商用で無料の場合に限られます(n8n LICENSE.md、2026年11月1日確認)。AIのモデルもモデルごとにライセンスが違います。編集部が ollama show --license で確認したところ、qwen2.5:1.5bはApache License 2.0でしたが、qwen2.5:3bは「Qwen RESEARCH LICENSE AGREEMENT」で、研究・評価以外の商用の利用には提供元への申請が必要と書かれていました(2026年11月1日確認)。仕事で使う場合は、モデルのライセンスを確認してから選んでください。

Contact

AIエージェントの構築、業務自動化、法人研修、AIエージェント構築プロパートナーのご相談、取材・登壇のご依頼など、お気軽にご相談ください。