テンダのAlmondo買収 5.1億円で51%を取得した松尾研発AIスタートアップの業績・倍率・買収後の実績【2026年11月】
更新日:著者:AITECH編集局

監修:株式会社AITECH CEO
監修:株式会社AITECH
設立から2年に満たないAIスタートアップは、いくらで買収されるのでしょうか。テンダは2024年12月19日、Almondoの株式の51%を5.1億円で取得すると発表しました。
取得価額を100%に換算すると10.0億円で、直近の売上高2.2億円の約4.6倍です。買収後、テンダの資料ではAlmondoの2026年5月期の営業利益は1.0億円です。
この記事では、取引の条件・業績・倍率・買収の目的と買収後の実績に加えて、AI受託で独立する人が自分の事業に取り入れられる点が分かります。事実の出典は、テンダの適時開示・有価証券報告書・決算説明資料とAlmondoの公式発表です(2026年11月5日確認)。ほかの事例はAI受託のM&A事例22件、ココナラのAcrosstudio買収、AI insideのWanderlust買収の記事にあります。
この記事の結論
- テンダのAlmondo買収とは:テンダが、Almondoの株式51%を5.1億円で取得し、子会社にした取引(2024年12月19日公表・12月25日取得)
- Almondoの業績:2024年9月期の売上高は2.2億円、営業利益は0.5億円(利益率23.1%)
- 取得価額の倍率:100%換算の株式価値は10.0億円(5.1億円÷51%)で、売上高の約4.6倍、営業利益の約20倍
- 買収後の実績:テンダの2026年5月期の資料では、Almondoの営業利益は1.0億円(利益率39.1%)
- 独立する人が参考にできる点:課題の絞り込み、成果を社名と数字で示すこと、組み合わせられる相手の想定、利益率の維持、売却後の役割の決定
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テンダによるAlmondo買収の概要
テンダによるAlmondo買収とは、テンダがAlmondoの株式51%を5.1億円で取得し、子会社にした取引です。株式の取得は2024年12月25日に完了しています。
| 買い手 | 株式会社テンダ(東証スタンダード 4198) |
|---|---|
| 対象会社 | 株式会社Almondo(2023年2月設立) |
| 公表日 | 2024年12月19日(取締役会の決議) |
| 取得割合 | 51%(普通株式255,000株) |
| 取得価額 | 5.1億円(現金) |
| 株式の取得日 | 2024年12月25日(完了) |
| 売り手 | 伊藤 滉太氏・松尾 豊氏・松本 悠秀氏(個人)と株式会社PKSHA Technology |
テンダは、システム開発のDXソリューション事業、ITコンサルティングとマニュアル作成ソフト「Dojo」のTechwiseコンサルティング事業、ゲームコンテンツ事業を営む会社です。公表の直前の2024年5月期の売上高は51.8億円、営業利益は5.5億円でした。取得価額5.1億円は、テンダの2024年5月期の営業利益の約0.9倍にあたります(5.1億円÷5.45億円)。
適時開示とは、上場会社が投資の判断に影響する情報を、証券取引所の仕組みで公表するものです。出典はテンダの適時開示(2024年12月19日・p1〜3)、テンダの有価証券報告書(2025年5月期・p25・p83〜84)、テンダの2024年5月期 決算短信(p1)です(2026年11月5日確認)。
Almondoの会社概要と事業
Almondoは、2023年2月に設立された、AIソリューションの開発・販売・提供を行う会社です。テンダの開示資料は、同社を「東大松尾研発のAIスタートアップ企業」と説明しています。
株式会社Almondo

| 会社名(設立) | 株式会社Almondo(2023年2月9日) |
|---|---|
| 本社 | 東京都渋谷区(2025年2月18日に文京区本郷から移転) |
| 代表者 | 伊藤 滉太(公式サイトの企業情報・2026年11月5日確認) |
| 事業内容 | AIソリューションの開発、販売、提供 |
| 資本金 | 25万円 |
| 主要株主 | 株式会社テンダ、伊藤 滉太、松尾 豊(公式サイトの企業情報) |
テンダの開示資料によると、Almondoは株式会社松尾研究所や研究機関でAIの研究・実装に携わった人材の集まりです。技術顧問は東京大学大学院の松尾 豊 教授で、2023年12月には江端 浩人 教授(iU情報経営イノベーション専門職大学)を顧問に迎えています。東京大学の松尾・岩澤研究室(松尾研)の「松尾研発スタートアップ」の一覧にも掲載されています。
出典はAlmondo 公式サイト、企業情報、本店移転のお知らせ(2025年2月18日)、松尾研発スタートアップの一覧、テンダの適時開示(p1〜2)です(2026年11月5日確認)。
経営陣と技術顧問
公式サイトのメンバー紹介には、代表取締役CEOの伊藤 滉太氏、COOの松本 悠秀氏、エンジニア2名と、技術顧問の松尾 豊氏が掲載されています。メンバー紹介によると、伊藤氏は東京大学に在学し、松尾研発のAIスタートアップで営業・事業開発に、松尾研究所で企業への提案とAI開発に携わったのち、Almondoを創業しました。
買収の後、テンダの代表取締役会長兼社長CEOの薗部 晃氏が、2025年1月からAlmondoの取締役を兼ねています。Almondoの代表者の記載は、資料ごとに次のとおりです。
| 資料(日付) | Almondoの代表者の記載 |
|---|---|
| テンダの適時開示(2024年12月19日) | 代表取締役CEO 伊藤 滉太 |
| テンダの有価証券報告書(2025年8月提出) | 執行役員の一覧に「株式会社Almondo 代表取締役CEO」として伊藤 滉太氏 |
| テンダの発表(2025年9月19日・12月23日) | 代表取締役社長 伊藤 滉太 |
| テンダの有価証券報告書(2026年8月提出) | 執行役員の一覧に「株式会社Almondo 代表取締役COO」として松本 悠秀氏 |
| Almondoの公式サイト(2026年11月5日確認) | 企業情報の代表者は伊藤 滉太。メンバー紹介は代表取締役CEO 伊藤 滉太、COO 松本 悠秀 |
提供しているAIソリューション
Almondoは、テンダへのグループ入りを知らせる2024年12月19日の発表で、主な提供ソリューションとして次の3つを挙げています。
| ソリューション | 内容(Almondoの発表) |
|---|---|
| AIナレッジ基盤構築 | 図表や専門用語が多いマニュアルや会話の記録から、半自動で知識を取り出して整理し、AIの誤った回答(ハルシネーション)を減らす |
| 独自モデル・アルゴリズム開発 | 社内のサーバーで動く特定分野向けの言語モデルや、専門知識に対応した検索の仕組みを開発する |
| AIアプリケーション構築 | 業務の流れを自動化するAIエージェントや、チャット・音声で対話するAIを構築する |
同じ発表は、AIナレッジ基盤構築で「9割以上の精度」の回答を実現し、「数万件規模の問い合わせ対応を達成した導入事例」もあると書いています。これまでAIナレッジ基盤構築などを手掛けた大手企業として、DCM、東京ガス、IHI、伊藤忠テクノソリューションズ(CTC)などを挙げています。RAG(社内資料を検索して答えるAI)の精度の改善は、現在の公式サイトの事業案内でも最初に挙げられています。
2025年4月25日には、日産クリエイティブサービスから「FY24 優秀賞」を受賞したと発表しました。形式の異なる社内マニュアルをAIが理解しやすい形に変換し、日産のグループ会社内の社内チャットボットの中で「最高の回答率」を達成したと説明しています。
Almondoは、AIの誤った回答を減らすAIナレッジ基盤構築を主な提供ソリューションの1つ目に挙げています。公表している実績も「9割以上の精度」や日産グループ内の「最高の回答率」など、回答の精度に関するものです。
出典はAlmondoのプレスリリース(2024年12月19日・PR TIMES)、事業案内、Almondoのお知らせ(2025年4月25日)、メンバー紹介、テンダの有価証券報告書(2025年5月期・p42・p46)、同(2026年5月期・p41)、テンダの発表(2025年9月19日)、テンダのニュース(2025年12月23日)です(2026年11月5日確認)。
買収前のAlmondoの業績
Almondoの2024年9月期の売上高は2.2億円、営業利益は0.5億円で、売上高に対する割合は23.1%です。設立した期の2023年9月期は、2023年2月から9月までの約8か月で売上高0.2億円でした。
テンダの開示資料に記載された、設立以来の2期の経営成績と財政状態です。
| 項目 | 2023年9月期 | 2024年9月期 |
|---|---|---|
| 売上高 | 0.2億円 | 2.2億円 |
| 営業利益 | 0.1億円 | 0.5億円 |
| 経常利益 | 0.1億円 | 0.5億円 |
| 当期純利益 | 800万円 | 0.4億円 |
| 純資産 | 900万円 | 0.4億円 |
| 総資産 | 0.2億円 | 0.8億円 |
開示資料の金額は百万円単位で、百万円未満の端数の扱い(切り捨て・四捨五入)は記載されていません。2024年9月期の開示の数字は、売上高216百万円、営業利益50百万円、経常利益54百万円、当期純利益35百万円、純資産44百万円です。2023年9月期は売上高21百万円、営業利益12百万円、純資産9百万円、総資産15百万円です。出典はテンダの適時開示(p2)です(2026年11月5日確認)。
開示された数字から計算した利益率と自己資本比率です。営業利益率=営業利益÷売上高、自己資本比率=純資産÷総資産です。
| 指標 | 2023年9月期 | 2024年9月期 |
|---|---|---|
| 営業利益率 | 57.1% | 23.1% |
| 自己資本比率 | 60.0% | 55.0% |
2023年9月期は売上高21百万円に対する比率のため、利益率の水準は2024年9月期と単純に比べられません。2024年9月期は売上高が約10倍の2.2億円になり、営業利益率は23.1%です。
2024年9月期の営業利益率は23.1%です。2026年3月期のWanderlust(12.9%)、2026年6月期のAcrosstudio(4.1%)より高い利益率です。
取得価額から計算した倍率
取得価額を100%に換算した株式価値は10.0億円で、2024年9月期の売上高の約4.6倍、営業利益の約20倍です。
100%換算の株式価値とは、取得した割合に払った金額から、会社の株式全体の値段を計算したものです。開示された数字だけで計算した倍率は次のとおりです。
| 指標 | 計算式 | 結果 |
|---|---|---|
| 100%換算の株式価値 | 5.1億円÷51% | 10.0億円 |
| 対売上高 | 10.0億円÷2.16億円 | 約4.6倍 |
| 対営業利益 | 10.0億円÷0.50億円 | 約20倍 |
| 対経常利益 | 10.0億円÷0.54億円 | 約19倍 |
| 対純資産 | 10.0億円÷0.44億円 | 約23倍 |
分母はすべて2024年9月期の数字です。開示の金額が百万円単位のため、倍率は概数です。100%換算の値は株式の価値で、負債や現預金を調整した企業価値ではありません。子会社にするための取得には、支配権を得るための上乗せが含まれる場合があり、100%換算の値は目安です。テンダの開示資料には「第三者機関による評価を基に取得価格を決定しております」と書かれています。
開示資料ではありませんが、Almondoの公式note(2024年12月27日)で、CEOの伊藤氏は今回の特色の1つに「100%での株式価値で10億円をつけた点」を挙げています。出典はテンダの適時開示(p2〜3)とAlmondoのnote(2024年12月27日)です(2026年11月5日確認)。
WanderlustとAcrosstudioの買収との比較
AI insideのWanderlust買収、ココナラのAcrosstudio買収と同じ式で比べると、次のとおりです。
| 項目 | テンダ → Almondo | AI inside → Wanderlust | ココナラ → Acrosstudio |
|---|---|---|---|
| 公表日 | 2024年12月19日 | 2026年9月30日 | 2026年10月7日 |
| 設立から公表まで | 約1年10か月 | 約3年8か月 | 約5年3か月 |
| 取得割合 | 51% | 70.0% | 51% |
| 取得価額 | 5.1億円 | 7億円 | 8.67億円 |
| 100%換算 | 10.0億円 | 10.0億円 | 17.0億円 |
| 直近の売上高 | 2.2億円 | 2.4億円 | 11.3億円 |
| 営業利益率 | 23.1% | 12.9% | 4.1% |
| 対売上高 | 約4.6倍 | 約4.1倍 | 1.5倍 |
| 対営業利益 | 約20倍 | 約32倍 | 約37倍 |
直近の売上高は、Almondoが2024年9月期、Wanderlustが2026年3月期、Acrosstudioが2026年6月期です。3件の公表の時期は、最大で約1年10か月離れています。出典は各社の適時開示で、計算の詳細はAI insideのWanderlust買収とココナラのAcrosstudio買収の記事にあります。
2024年10月に公表されたAVILENのLangCore買収(全株式を4.0億円で取得)は、AVILENのLangCore買収の解説にあります。
3件のうち、Almondoは営業利益率が23.1%で最も高く、対営業利益の倍率は約20倍で最も低い値です。100%換算の株式価値10.0億円は、Wanderlustと同じ金額です。
51%の取得と取引の条件
テンダは、発行済株式の51%(255,000株)を4者から現金5.1億円で取得し、2024年12月25日にAlmondoを子会社にしました。
| 取得前の保有 | 0株(0%) |
|---|---|
| 取得した株式 | 普通株式255,000株(議決権の51.00%) |
| 取得価額 | 5.1億円(現金) |
| アドバイザリー費用等 | 適時開示(2024年12月19日)では「アドバイザリー費用等0円」。有価証券報告書(2025年5月期)の企業結合の注記では、主要な取得関連費用として「アドバイザリー費用等 4,300千円」(430万円) |
| 取得前の大株主 | 伊藤 滉太氏 75%、株式会社PKSHA Technology 20%、松尾 豊氏 5% |
| 日程 | 2024年12月19日 取締役会の決議、12月20日 株式譲渡契約の締結、12月25日 株式の取得 |
| 連結の開始 | 2025年1月1日から(みなし取得日は2024年12月31日) |
株式の取得の相手先は、伊藤 滉太氏、松尾 豊氏、松本 悠秀氏、株式会社PKSHA Technologyの4者です。開示資料には「松本 悠秀氏は、株式譲渡実行日までに、既存株主より一部株式の譲渡が予定されております」と書かれています。相手先ごとの株数と、51%の取得にした理由は開示されていません。
取得後のAlmondoの公式サイトは、主要株主として株式会社テンダ、伊藤 滉太氏、松尾 豊氏を挙げています。2026年5月期の有価証券報告書の関係会社の状況でも、テンダの議決権の所有割合は51.0%です。
のれんの金額と償却
のれんとは、買収で払った金額のうち、買収した会社の純資産を上回る部分です。テンダは、Almondoの取得で発生したのれんを8年間で均等に償却しています。
| 発生したのれん | 4.84億円(483,940千円) |
|---|---|
| 発生の原因 | 「主として今後の事業展開によって期待される超過収益力」 |
| 償却の期間 | 8年間(年0.6億円) |
| 2025年5月期末の残高 | 4.59億円(テンダの総資産の11.8%) |
| 2026年5月期末の残高 | 3.98億円 |
企業結合日に受け入れた資産は0.79億円、負債は0.28億円で、純資産は約0.5億円です。のれん4.84億円は、取得価額5.1億円の約95%にあたります。テンダがほかの4社の取得で計上したのれんの償却期間は、3年から7年です。2025年5月期の有価証券報告書で、監査法人はAlmondoの株式取得の会計処理を「監査上の主要な検討事項」に挙げています。
出典はテンダの適時開示(p2〜3)、テンダの有価証券報告書(2025年5月期・p25・p69・p74・p83〜84・p111)、同(2026年5月期・p9・p65)、Almondoの企業情報です(2026年11月5日確認)。
テンダが買収した目的
テンダの目的は、AIという先端技術の「社会実装」を、Almondoと協働で進めることです。有価証券報告書は、Techwiseコンサルティング事業の技術・顧客基盤・プロジェクト運営と補完し合い、AIを活用した新たな市場機会を作ることを目的に挙げています。
テンダの開示資料に書かれた目的
適時開示は、テンダが「新たな技術領域や商流の拡大に向けた様々な外部連携」を進めてきたと説明しています。そのうえで、AIの「社会実装」の実現に向けて「当社グループが協働推進すべく、本株式取得を決定いたしました」と書いています。
2025年1月14日の2025年5月期 第2四半期 決算説明資料は、Almondoを中心とした戦略の方向性として2つを示しました。1つは、累計3,000社以上に提供したDojoシリーズの顧客基盤へのAIソリューションの提案・販売です。もう1つは、AlmondoのAI技術とDojoシリーズを組み合わせた「ナレッジ活用プラットフォーム」です。
Almondoの発表
Almondoは、テンダの顧客基盤、Dojoをはじめとするプロダクト、システム開発・コンサルティングの実績を組み合わせ、生成AIを使った新機能の実装と新事業の創出を加速すると発表しています。
| 会社 | 組み合わせるもの(両社の資料) |
|---|---|
| テンダ | Dojoシリーズの顧客基盤(累計3,000社以上)、プロダクト、システム開発・コンサルティングの実績 |
| Almondo | AIの研究・実装の人材、AIナレッジ基盤構築などのAIソリューション、FAQサービス |
2025年4月14日の業績予想の修正では、テンダはAlmondoを中心に「AI Led(エーアイ・レッド)」な事業体への構造改革に着手すると説明しました。施策には、AlmondoのAIエージェント技術をIT受託事業に組み込むこと、Almondoの技術を学ぶ社内研修の拡充が含まれます。
テンダは、Dojoシリーズの顧客基盤にAlmondoのAIソリューションを届けることと、両社の製品を組み合わせたナレッジ活用の仕組みを、戦略の方向性に挙げています。
出典はテンダの適時開示(p1)、テンダの有価証券報告書(2025年5月期・p5)、2025年5月期 第2四半期 決算説明資料(p16〜18)、通期連結業績予想の修正に関するお知らせ(2025年4月14日・p2)、Almondoのプレスリリース(2024年12月19日)です(2026年11月5日確認)。
買収後のAlmondoの業績と協業
テンダの2026年5月期の決算説明資料では、Almondoの売上高は2.6億円、営業利益は1.0億円、営業利益率は39.1%です。テンダは同じ資料で、Almondoの売上高を2029年5月期に12.0億円にする計画を示しています。
買収後の業績
| 項目 | 取得前(2024年9月期) | 取得後(2026年5月期) |
|---|---|---|
| 売上高 | 2.2億円 | 2.6億円 |
| 営業利益 | 0.5億円 | 1.0億円 |
| 営業利益率 | 23.1% | 39.1% |
取得前はAlmondoの2024年9月期(テンダの適時開示)、取得後はテンダの2026年5月期(2025年6月1日〜2026年5月31日)の数字で、出典の資料も異なります。2026年5月期の数字は、テンダの決算説明資料(2026年7月14日)のセグメント別の表で、Techwiseコンサルティング事業の内訳として「(内、Almondo)」と記載されたもので、売上高256百万円、営業利益100百万円です。有価証券報告書によると、Almondoの事業年度の末日はテンダの連結決算日と同じです。この営業利益にAlmondoののれんの償却額が含まれるかどうかは、資料に記載されていません。同じ資料は、前期から当期へのEBITDA(営業利益に減価償却費などを足した利益)の変動のうち、Almondoが57百万円の増益の要因だったと示しています。
テンダの連結では、2026年5月期の売上高は51.3億円、営業利益は1.7億円で、営業利益率は3.2%でした。テンダは決算の質疑応答集(2026年7月16日)で、Almondoを「AIサービスを提供する単独事業であると同時に、グループ各事業の提案力、開発生産性および利益率を高める中核機能」と説明しています。
テンダとの共同のサービス
| 発表日 | 内容 | 出典 |
|---|---|---|
| 2025年9月19日(金) | 製造業の不具合のデータをAIが解析し、原因分析と改善提案を自動で作るサービスを、テンダの「TRAN-DX」の第2弾として提供開始 | テンダの発表 |
| 2025年12月23日(火) | RAGとAIエージェントによる生成AI開発サービスの本格提供を開始。実績として「月数万件の問い合わせに対し、約97%の精度で回答するAIエージェント」を記載 | テンダのニュース |
2025年11月19日の役員選任の発表では、テンダはAlmondoについて「外部パートナーと連携した高単価案件の獲得が奏功し、グループ全体の利益拡大に貢献」と書いています。
テンダが示したAlmondoの売上高の計画
| テンダの決算期 | Almondoの売上高 | 資料の区分 |
|---|---|---|
| 2026年5月期(第31期) | 2.6億円 | 実績 |
| 2027年5月期(第32期) | 5.0億円 | Plan |
| 2028年5月期(第33期) | 7.5億円 | Achieve |
| 2029年5月期(第34期) | 12.0億円 | Challenge |
資料は、Almondoの利益率について「39.1%維持」と書いています。2026年10月13日の2027年5月期 第1四半期の決算短信では、Almondoは重点顧客との取引拡大に取り組んだと記載されていますが、Almondo単独の数字は記載されていません。
テンダの2026年5月期の決算説明資料では、Almondoの営業利益は1.0億円、営業利益率は39.1%です。テンダは、Almondoの売上高を2029年5月期に12.0億円にする計画(Challenge)を示しています。
設立から現在までの経緯
| 日付 | 出来事 | 出典 |
|---|---|---|
| 2023年2月9日(木) | Almondoを設立 | 適時開示 |
| 2023年4月11日(火) | ChatGPTなどの活用に向けたコンサルティング・PoC(本番の前に効果を試す実証実験)のサービスを開始 | Almondoのニュース |
| 2024年12月19日(木) | テンダが取得を決議し、両社が発表 | 適時開示・PR TIMES |
| 12月25日(水) | テンダが株式を取得し、Almondoがテンダグループに参画 | 有価証券報告書・Almondoのお知らせ |
| 2025年2月18日(火) | 本店を東京都渋谷区に移転 | Almondoのお知らせ |
| 9月19日(金) | TRAN-DX 第2弾のサービスを提供開始 | テンダの発表 |
| 12月23日(火) | RAG×AIエージェントの生成AI開発サービスを本格提供 | テンダのニュース |
| 2026年7月14日(火) | 決算説明資料で、Almondoの通期実績と2029年5月期までの計画を公表 | 決算説明資料 |
出典はテンダの2026年5月期 通期決算説明資料(p9・p13・p16・p26)、通期決算に関する質疑応答集(p2)、2026年5月期 決算短信(p1)、2027年5月期 第1四半期 決算短信(p3)、テンダの発表(2025年9月19日)、テンダのニュース(2025年12月23日)、役員選任のお知らせ(2025年11月19日)、Almondoのニュースリリースです(2026年11月5日確認)。
AI受託で独立する人が参考にできる点
Almondoの事例から個人の受託に取り入れられるのは、扱う課題の絞り方と、成果の示し方です。上場企業に買収された会社の事例のため、規模や条件は個人の受託と異なります。各項目の「事実」は開示資料と公式発表の記載、「参考(推論)」は事実をもとにした推論で、取引の条件や買い手の評価基準として開示されたものではありません。
1. 解く課題を1つに絞る
| 事実 | Almondoは主なソリューションの1つ目に、マニュアルや会話の記録から知識を整理してAIの誤った回答を減らす「AIナレッジ基盤構築」を挙げています。現在の事業案内でも「RAG精度の根本的改善」が最初の項目です。 |
|---|---|
| 参考(推論) | 独立直後の個人も、扱う課題を「社内資料を使うAIの回答の精度」のように1つに絞ると、提案の内容と実績がそろい、依頼する側に違いが伝わりやすいと考えられます。 |
2. 成果を社名と数字で示す
| 事実 | Almondoは発表で、DCM・東京ガス・IHI・CTCなどの取引先の名前と、「9割以上の精度」「数万件規模の問い合わせ対応」を示しています。日産クリエイティブサービスからの受賞も公表しています。 |
|---|---|
| 参考(推論) | 個人の受託でも、顧客の許可を得て社名を出すか、回答の精度や対応件数の変化を数字で残すと、次の提案で実績を説明しやすくなると考えられます。 |
3. 買い手の製品と組み合わせられる技術を持つ
| 事実 | テンダは、累計3,000社以上に提供したマニュアル作成ソフトDojoとAlmondoのAI技術の組み合わせを、戦略の方向性に挙げています。取得後には、両社でTRAN-DXや生成AI開発のサービスを提供しています。 |
|---|---|
| 参考(推論) | 自分の技術がどの会社の製品や顧客と組み合わさるかを考えておくと、業務提携や売却の相手を探すときの候補を絞りやすいと考えられます。 |
4. 売上が小さい時期から利益率を高く保つ
| 事実 | Almondoの2024年9月期の売上高は2.2億円で、営業利益率は23.1%です。取得後のテンダの資料では39.1%で、テンダはAlmondoを「AI実装領域の高収益性」を示す存在と位置づけています。 |
|---|---|
| 参考(推論) | 売上の規模が小さくても営業利益率を高く保っておくと、売却を検討するときに、単独での収益性を数字で説明しやすくなると考えられます。 |
5. 売却後の役割を決めておく
| 事実 | テンダが取得したのは51%で、取得後のAlmondoの公式サイトは主要株主にテンダ・伊藤氏・松尾氏を挙げています。伊藤氏はAlmondoの公式note(2024年12月27日)で「M&Aは、出口ではなく、次なる挑戦の始まりです」と書いています。 |
|---|---|
| 参考(推論) | 売却する場合も、株式をどれだけ残し、売却後にどの役割を担うかを先に決めておくと、買い手との条件の交渉で判断しやすいと考えられます。 |
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まとめ
テンダのAlmondo買収は、2024年9月期の売上高が2.2億円のAIスタートアップを、設立から1年10か月の時点で上場企業が子会社にした事例です。テンダは目的として、AIの社会実装を協働で進めることを挙げています。
- テンダは、Almondoの株式51%を5.1億円で取得し、2024年12月25日に子会社にしました。100%に換算すると10.0億円です。
- Almondoの2024年9月期の売上高は2.2億円、営業利益率は23.1%です。
- 100%換算の株式価値は、売上高の約4.6倍、営業利益の約20倍です。
- 取得後、テンダの2026年5月期の資料では、Almondoの営業利益は1.0億円、営業利益率は39.1%です。
- AI受託で独立する人は、課題を1つに絞ること、成果を社名と数字で示すこと、組み合わせられる相手を考えること、利益率を高く保つこと、売却後の役割を決めておくことを取り入れられます。
よくある質問
テンダはAlmondoをいくらで買収したのですか?
株式の51%を5.1億円(510百万円)で取得しました。アドバイザリー費用等は、適時開示では0円、テンダの有価証券報告書の企業結合の注記では430万円です。
Almondoの売上高と利益はいくらですか?
取得前の2024年9月期の売上高は2.2億円(216百万円)、営業利益は0.5億円(50百万円)です。取得後は、テンダの決算説明資料で、2026年5月期の売上高が2.6億円(256百万円)、営業利益が1.0億円(100百万円)と示されています。
Almondoは松尾研の会社ですか?
テンダの開示資料は、Almondoを「東大松尾研発のAIスタートアップ企業」と説明しています。東京大学の松尾研の「松尾研発スタートアップ」の一覧にも掲載されており、技術顧問は松尾 豊 教授です。松尾氏は取得前の株式の5%を持つ株主でした。
なぜ100%ではなく51%の取得なのですか?
理由は開示されていません。取得後のAlmondoの公式サイトは、主要株主として株式会社テンダ、伊藤 滉太氏、松尾 豊氏を挙げています。
買収はいつ完了したのですか?
テンダは2024年12月25日に株式を取得しました。Almondoの業績は、2025年1月1日からテンダの連結決算に含まれています。
この記事の事実は、2026年11月5日にテンダの適時開示・有価証券報告書・決算短信・決算説明資料・ニュースと、Almondoの公式サイト・プレスリリース・note、東京大学松尾研の公式サイトで確認しました。倍率と比率は、開示された数字から計算したものです。内容は新しい発表で変わることがあります。最新の情報は各社の公式サイトで確認してください(更新日:2026年11月5日・監修:株式会社AITECH CEO 小森谷 祐太)。




