AIエージェント案件の単価と獲得方法 個人で受託するときの見積もり・契約・保守の決め方【2026年11月】

更新日:著者:AITECH編集局

監修:株式会社AITECH CEO

小森谷 祐太

監修:株式会社AITECH

AITECH編集局

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プログラミングの経験がなくても、AIエージェントの構築を個人で受託できるのか。クラウドワークスの発表では、生成AI関連の契約案件単価は、それ以外の契約案件の1.8倍でした(2023年)。

依頼主の業務を1つに絞り、検証と本開発を分けて見積もり、契約の形と保守の月額を書面で決めれば、個人でも受託できます。

この記事では、依頼の種類と単価の目安、最初の依頼主の見つけ方、見積もり・契約・保守の決め方が、公的資料と受注の実例から分かります(2026年11月5日確認)。

この記事の結論

  • 単価の組み立て:開発(一括)・APIの実費・保守(月額)の3つで見積もる。受講生の受注は開発30万〜70万円(2件・2026年10月)
  • 最初の依頼主:自分の業界の業務を1つ選んでデモを作り、知り合いや取引先に見せて、小さな検証から受ける
  • 見積もりと契約:検証・本開発・保守を分けて見積もり、契約の形・成果物の権利・データ・AIの誤りの責任の4点を書面で決める
  • 納品と保守:依頼主のアカウントで納品し、誤答の確認・モデルの変更への対応・障害の対応を、月の作業時間の上限つきの月額で受ける

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AIエージェント構築の受託とは

AIエージェント構築の受託とは、依頼主の業務の一部をAIに任せる仕組みを開発し、納品と保守まで請け負う仕事です。AIエージェントとは、目的を伝えると、AIが手順を考え、ほかのサービスを操作しながら作業を進める仕組みです。

AIエージェント構築の受託とは。依頼主の業務の一部をAIに任せる仕組みを開発し、納品と保守まで請け負う仕事。1 業務の整理(任せる作業を決める)、2 開発(AIの仕組みを作る)、3 納品と検収(依頼主の環境に移す)、4 保守(毎月の確認と修正)。受託の範囲は、業務の整理から納品後の保守まで

仕事の範囲は、業務の整理・開発・納品と検収・保守の4つです。最初の業務の整理では、どの作業をAIに任せ、どこを人が確認するかを依頼主と決めます。業務の整理には業界の知識が役立ち、プログラミングの経験は要りません。

見積もりと契約で使う言葉は2つです。PoC(概念実証)とは、本開発の前に小さく作り、効果と実現の可否を確かめる検証です。APIとは、ほかのサービスの機能を外から呼び出す窓口で、AIのAPIは使った量に応じて料金がかかります。

AIエージェントの作り方と道具の種類はAIエージェントの作り方に、AI受託を含む副業の全体像はAI副業の始め方にあります。

AIエージェント構築の依頼の種類

AIエージェント構築の依頼は、AIに任せる作業で「答える」「作る」「集める・つなぐ」の3つに分かれます。依頼主は「問い合わせ対応を減らしたい」のように業務の名前で相談してくるため、AIに任せる作業で分けると、自分が受けられる依頼かを判断できます。

AIエージェント構築の依頼の種類。依頼は、AIに任せる作業で3つに分かれる。答える:問い合わせの一次回答、社内資料の検索と回答。作る:定型の書類・レポート、営業メールの下書き。集める・つなぐ:システム間の転記・連携、定期の情報収集。相談を3つの作業に当てはめて、受けられるかを判断する

次の表は、AIに任せる作業ごとの代表的な依頼の型です。線引きは、AIの出力が「質問への回答」なら答える、「文書」なら作る、「ほかのサービスへのデータの受け渡し」なら集める・つなぐ、です。

AIに任せる作業依頼の型AIに任せる内容
答える問い合わせの一次回答よくある質問にAIが答え、答えられない質問を担当者に回す
答える社内資料の検索と回答規程やマニュアルを読ませ、社員の質問に資料の該当箇所を付けて答える
作る定型の書類・レポートの作成数値や議事録から、決まった形式の報告書や日報の下書きを作る
作る営業リストとメールの下書き公開情報から見込み客の一覧を作り、1社ずつ文面の下書きを作る
集める・つなぐシステム間の転記・連携フォームの回答や受信メールを読み、表計算や顧客管理のツールに転記する
集める・つなぐ定期の情報収集決まったサイトやニュースを毎日集めて要約し、社内のチャットに送る

会社の部署ごとの使い方はAIエージェントの活用事例にあります。

非エンジニアが最初に受けない依頼

  • 基幹システム:会計・受発注など、止まると業務が止まるシステムの改修や読み書きを含む依頼
  • 個人情報:顧客の個人情報を大量にAIに渡す依頼(個人情報保護法の確認が要る)
  • 精度の保証:「誤答ゼロ」や正答率の数値を、完成の条件として求められる依頼
  • 無人の運用:AIの出力を人が確認しないまま、顧客への送信や支払いまで自動で行う依頼

AIエージェント案件の単価

個人のAIエージェント案件の単価は、開発(一括)・APIの実費・保守(月額)の3つで組み立てます。開発は納品のときに1回、APIの実費は使った量に応じて毎月、保守は月額で毎月支払われます。

AIエージェント案件の単価の組み立て。個人の受託の単価は、開発(一括・納品のときに1回)+APIの実費(使った量で毎月)+保守(月額・毎月の定額)の3つで組み立てる。個人の受注の例:開発(一括)30万〜70万円(2件・2026年10月)。件数が少ないため相場ではない。見積書では、開発と保守を別の行に分けて書く

クラウドソーシングで公表されている単価

クラウドワークスは2023年12月25日に、生成AI関連の契約案件単価が、それ以外の契約案件の1.8倍だったと発表しました。対象は2022年12月〜2023年11月の契約で、生成AI関連の契約は5,832件でした。

同じ発表には、契約金額の例が載っています。AIを使った独自予約システムのウェブツールの構築は5万円、ChatGPTを使ってウェブサイトから情報を取得するプログラムの作成は30万円、AI開発のコンサルティングは8万円でした。2023年のデータで、AIエージェントという言葉が広まる前の数字です。出典はクラウドワークス プレスリリース(2023年12月25日)です(2026年11月5日確認)。

個人で受注した金額の実例

次の表は、AI事業の立ち上げを学ぶスクール「COACH AI」(運営:株式会社AITECH)の受講生が、受講生用のチャットで報告した受注・提示額・依頼主の予算を、区分ごとの範囲と件数にしたものです。対象は2026年4月〜10月の報告で、2026年11月5日に集計しました。

区分金額件数と時期
開発(一括)30万〜70万円受注2件(2026年10月)
月額の伴走・保守月10万〜80万円受注・提示額・依頼主の予算の計4件(2026年9〜10月)
1時間あたりの料金1万〜6万円受注・提示額の計3件(2026年10月)
受講生1人の受注の合計約500万円8件・開発以外の仕事を含む(2026年4〜10月)

どの区分も件数が少ないため、相場を示す数字ではありません。月額の伴走・保守は、受注の報告より提示額と予算の報告が多く、上限の80万円は提示額です。1件目を無料で開発し、営業のための実績にした受講生もいます。

開発会社が公開している価格

法人として受ける開発会社の公開価格は、個人の受注より高い価格帯です。BlueAIは、業務1つ・データの接続1系統の検証(PoC)を100万〜300万円、1業務の本番化を300万〜500万円、月次の運用を月20万〜50万円としています(税別の概算)。Irwin&coは、生成AIの機能を載せた業務システムを200万〜1,500万円(税抜)・2〜5か月としています。出典はBlueAI 料金とIrwin&co 生成AI特化の受託開発です(2026年11月5日確認)。

単価が変わる条件

単価は、AIに任せる業務の数、つなぐシステムの数、扱うデータ、保守の範囲の4つで変わります。開発会社の価格表でも、業務1つ・接続1系統の検証と、複数のシステムや基幹系とつなぐ構成とで、価格帯が分かれています。

1件目は、業務1つ・つなぐサービス1〜2個の範囲に絞り、開発(一括)と保守(月額)を別の行で見積もります。受講生の受注も、開発30万〜70万円の範囲でした。

AIエージェント案件の獲得方法

最初の依頼主は、自分の業界の業務を1つ選んでデモを作り、知り合いや取引先に見せて探します。デモとは、依頼主の業務に近い題材で作った、実際に動く見本です。

AIエージェント案件の獲得方法。最初の依頼主は、自分の業界の業務で作ったデモを見せて探す。1 業務を1つ選びデモを作る、2 知り合い・取引先にデモを見せる、3 小さな検証から受ける。最初の1件は、小さな検証の契約から始める
  1. 業務を1つ選ぶ自分が経験した業界で、手順が決まっている作業を選びます
  2. デモを作る架空のデータで、その作業をAIが進める見本を作ります
  3. 実績を公開するデモの画面と、短くなった作業時間を記事やSNSに載せます
  4. 依頼主に提案する知り合い・取引先・交流会で、デモを見せて提案します
  5. 検証から受ける最初は小さな検証の契約で受け、効果を見てから本開発に進みます

依頼主の探し方は、次の5つです。

探し方向く人注意点
知り合い・取引先の紹介会社員・個人事業主として取引先がある人勤め先の取引先と取引するときは、就業規則と利益相反を確かめる
クラウドソーシング実績がまだ無い人単価が低い募集が混ざるため、範囲と金額を応募の前に確かめる
SNS・noteでの発信デモや作業の記録を続けて公開できる人依頼につながるまでに時間がかかる
経営者の交流会・業界のイベント対面で話すのが苦にならない人名刺交換で終わらせず、後日デモを見せる約束をする
AI開発の会社の下請け自分で営業をしたくない人単価は低くなる。再委託の可否を元の契約で確かめる

クラウドソーシングでは、ランサーズの仕事検索などで「AIエージェント」の開発の募集が見つかります(2026年11月5日確認)。COACH AIのコーチは受講生に、最初は対面で営業し、経営者の交流会や業界のイベントで1か月の無料提供を提案する方法を勧めています。営業の進め方はAIコンサルとして独立する方法の「最初の顧客の見つけ方」にあります。

最初の1件は、業界の知識がある分野で受けます。業務の整理を依頼主の言葉で進められるため、開発の範囲を短い時間で決められます。

AIエージェント構築の見積もり

AIエージェント構築の見積もりは、検証(PoC)と本開発と保守を分け、段階ごとに出します。経済産業省の「AI・データの利用に関する契約ガイドライン」(AI編)は、アセスメント・PoC・開発・追加学習の段階ごとに、次に進むかを決める「探索的段階型」の進め方を示しています。

AIエージェント構築の見積もり。検証・本開発・保守の段階ごとに見積もり、段階の終わりに次に進むかを決める。1 検証(PoC):業務1つで試作し報告を渡す、2 本開発:依頼主の環境で使える形にする、3 保守:月額・時間の上限つき。段階ごとに見積もると、検証で止める選択を依頼主に残せる

このガイドラインは、AIのモデルそのものを開発する場面を想定しています。生成AIのAPIを使ってAIエージェントを組み立てる受託では、段階を分ける考え方を参照します。経済産業省の「AIの利用・開発に関する契約チェックリスト」(2025年2月)も、開発の契約を結ぶ時点でリスクを十分に分析できない場合は、1つの契約でリスクを調整せず、後の契約で段階的に調整する方法を挙げています。出典は経済産業省「AI・データの利用に関する契約ガイドライン 1.1版」と経済産業省「AIの利用・開発に関する契約チェックリスト」です(2026年11月5日確認)。

段階中身と成果物支払い
検証(PoC)業務1つで試作し、効果と実現できるかを確かめる。成果物は試作と検証の報告検証の終了時に一括
本開発検証の結果をもとに、依頼主の環境で使える形にする。成果物は仕組みと操作の説明書検収の後に一括、または2回に分割
保守誤答の確認と指示文の修正、AIのモデルの変更への対応、障害の対応月額(月の作業時間の上限つき)

AIエージェント構築の作業範囲の決め方

作業の範囲は、対象の業務、AIへの入力と出力、人が確認する箇所、対象外の作業の4つを見積書に書いて決めます。対象外の作業を書くと、開発中に依頼が広がったときに、追加の見積もりを出す根拠になります。

APIの料金の負担

APIの料金は、依頼主のアカウントでAPIキーを発行し、依頼主が直接支払う形が基本です。自分のアカウントで立て替える場合は、実費を毎月請求する条件と、利用額の上限を見積書に書きます。料金の計算方法はAIのトークンとはにあります。

追加料金の決め方

範囲外の依頼は、作業に入る前に、金額と納期を書面で決めます。見積書には、対象外の作業と、範囲外の作業を受けるときの料金の決め方(1時間あたりの料金など)を書いておきます。

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AIエージェント受託の契約

AIエージェント受託の契約では、契約の形・成果物の権利・依頼主のデータ・AIの誤りの責任の4点を書面で決めます。AIの答えは毎回同じとは限らないため、通常のシステム開発より「何をもって完成とするか」の取り決めが重要になります。

AIエージェント受託の契約。契約書では、AIの答えが毎回同じとは限らない前提で4点を決める。契約の形:請負か準委任か、何をもって完成か。成果物の権利:依頼主に渡すもの、自分に残すもの。依頼主のデータ:AIの学習に使われるか。AIの誤りの責任:責任の範囲と人が確認する箇所。4点を契約書に書いてから開発を始める

準委任と請負の違い

請負とは仕事の完成を約束する契約、準委任とは決めた作業を注意を尽くして行うことを約束する契約です。特許庁のIP BASEは、準委任をさらに、作業をしたことに報酬を払う「履行割合型」と、成果の引き渡しと引き換えに報酬を払う「成果完成型」に分けています。

項目請負準委任(履行割合型)準委任(成果完成型)
約束すること仕事の完成作業を注意を尽くして行う作業を行い、成果を引き渡す
報酬が発生する時完成・引き渡しの後作業をした分成果の引き渡しの後
完成しなかったとき報酬を受け取れず、損害賠償の責任を負うことがある完成の責任は負わない報酬は受け取れないが、完成の法的な責任は負わない

IP BASEは、AIの精度は保証が難しく受託側は請負を避けたい一方、依頼主は履行割合型を受け入れにくいため、成果完成型の準委任が折衷案になりうるとしています。ただし、何をもって完成とするかは別に問題になりうるとし、AIを含むシステム全体を開発する場合は、請負に合理性がより認められる場合もあるとしています。経済産業省のチェックリストも、準委任か請負かの分類より、依頼主が成果の内容と水準をどの程度求めるかが重要としています。出典は特許庁 IP BASE「AI開発を受託する際の契約方式の選び方」と経済産業省「AIの利用・開発に関する契約チェックリスト」4.3.2(31ページ)です(2026年11月5日確認)。

AIエージェントの検収の基準

検収の基準は、テストに使う質問の一覧と、合格の条件を契約の前に決めて書きます。例えば、依頼主が選んだ質問30問に対して、資料に書かれている内容を答えられるかを確かめる、という形です。AIの答えが毎回少し変わることを前提に、言い回しではなく中身で合否を判断する、と書いておきます。

成果物と知的財産の権利

経済産業省のチェックリストは、開発で新しく生まれた成果をフォアグラウンドIP、開発と関係なく各自が持っている知的財産をバックグラウンドIPと呼び、どちらに当たるかで争いになりやすいとしています。依頼主のために作った指示文や設定は依頼主に渡し、自分が前から持っているひな形や部品は自分に残す、と範囲を書き分けます。

依頼主のデータとAIへの入力

依頼主のデータをAIに入力するときは、入力したデータがAIの学習に使われるかを、使うAIサービスの規約で確かめて契約に書きます。経済産業省のチェックリストは、入力の扱いを次の3つに分けています。

入力の扱い契約で決めること
AIの学習に広く使われる依頼主の機密や個人データを入力しないか、入力してよい範囲を依頼主と決める
サービスの提供に必要な範囲でだけ学習に使われる使われる範囲を規約で確かめ、依頼主の了承を書面で取る
学習に使われない学習に使われない設定やプランで納品することを契約に書く

入力に個人データが含まれるときは、個人情報保護法の第三者提供(27条)と、海外の事業者に渡す場合の規制(28条)を確かめます。

契約書のひな形

契約書のひな形は、公的な団体が公開しています。日本ディープラーニング協会(JDLA)は2025年9月19日に「生成AI開発契約ガイドライン」を公開し、秘密保持契約・アセスメント・導入検証・ソフトウェア開発などの契約書のひな形を付けて、無料でダウンロードできるようにしています。情報処理推進機構(IPA)は「情報システム・モデル取引・契約書」の第二版とアジャイル開発版を、ウェブサイトからダウンロードできる形で公開しています。出典はJDLA「生成AI開発契約ガイドライン」とIPA「情報システム・モデル取引・契約書」です(2026年11月5日確認)。

個人で受託する人は、フリーランス・事業者間取引適正化等法(2024年11月1日施行)で守られる側になります。フリーランスに仕事を発注する事業者には取引条件を書面などで明示する義務があり、従業員を雇っている発注者には、成果物を受け取った日から原則60日以内に報酬を支払う義務もあります。出典は厚生労働省「フリーランス・事業者間取引適正化等法」です(2026年11月5日確認)。開業届や確定申告などの基礎はAIコンサルとして独立する方法にあります。

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AIエージェント構築に使うツール

非エンジニアのAIエージェント受託では、n8n・Dify・Claude Code・Codexの4つから、依頼の型で選びます。どのツールも、依頼主のアカウントで動かして納品できます。

AIエージェント構築に使うツール。非エンジニアの受託では、AIに任せる作業でツールを選ぶ。n8n:集める・つなぐ(転記・情報収集)。Dify:答える(問い合わせ・社内資料の回答)。Claude Code・Codex:作る(画面のある業務システム)。依頼の型が決まれば、使うツールも決まる
ツール向く依頼詳しい記事
n8nシステム間の転記・連携、定期の情報収集(集める・つなぐ)n8nの使い方・n8nの料金
Dify問い合わせの一次回答、社内資料の検索と回答(答える)DifyをDockerで入れる方法・n8nとDifyの違い
Claude Code画面のある業務システムや、書類の作成の仕組み(作る)Claude Codeの使い方
CodexClaude Codeと同じ。ChatGPTの有料プランを使っている人向けCodexの使い方

n8nとDifyは、画面上で部品をつないで作るノーコードのツールです。Claude CodeとCodexは、作りたいものを日本語で伝えると、AIがプログラムを書いて開発を進めます。依頼の型が決まれば、使うツールも決まります。

ChatGPTのカスタムGPTは、OpenAIが2026年12月11日に終了する予定と発表しているため、新しい納品には使いません(OpenAI ヘルプ・2026年11月5日確認)。終了の日程と代わりの作り方はカスタムGPT(GPTs)の作り方にあります。

AIエージェントの納品と保守

AIエージェントの納品は依頼主のアカウントに移して検収を受け、納品後は月額の保守契約で運用を続けます。AIの答えの誤りや、AIのモデルの変更は納品後にも起きるため、保守を前提に見積もります。

AIエージェントの保守契約に含める作業。納品後も起きる誤答とモデルの変更に、月額の保守で対応する。誤答の確認:誤答を記録し指示文を直す。モデルの変更:AIのモデルの変更・提供終了に対応する。障害の対応:止まったときに原因を調べて直す。保守の月額は、月の作業時間の上限を書いて受ける
  1. テストする検収の基準に決めた質問で、自分の環境で動作を確かめます
  2. 依頼主の環境に移す依頼主名義のアカウントとAPIキーに切り替えます
  3. 操作を説明する使い方と、人が確認する箇所を説明書にして渡します
  4. 検収を受ける依頼主が同じ質問で確かめ、合格を書面で受け取ります
  5. 保守を始める月額の保守契約に切り替え、誤答の記録を毎月確認します

保守契約に含める作業

保守の月額には、誤答の確認と指示文の修正、AIのモデルの変更や提供終了への対応、障害の対応の3つを含め、月の作業時間の上限を書きます。上限を超える作業は、1時間あたりの料金で別に請求すると決めておきます。

APIキーとアカウントの持ち主

APIキーとAIサービスのアカウントは、依頼主の名義で作るのが原則です。自分の名義のまま納品すると、契約が終わったときの引き継ぎと、不正利用されたときの請求の扱いがあいまいになります。APIキーの管理と事故の例はAIツール・開発基盤の不正アクセス事例に、ドメインやサーバーの名義はドメイン・サーバー・DNSの違いにあります。

保守の月額は、作業の範囲と月の作業時間の上限を書いて受けます。上限を書かない保守は、依頼が増えても報酬が変わりません。

AIエージェント構築の受託のリスク

AIエージェント構築の受託の主なリスクは5つで、そのうち4つは開発の前の契約と設計で防げます。残る1つの外部サービスの変更には、保守で対応します。

AIエージェント構築の受託のリスク。5つのリスクは、手を打つ場所で契約・設計・保守の3つに分かれる。契約で防ぐ:AIの誤答、範囲の広がり。設計で防ぐ:個人情報と機密、APIの料金。保守で防ぐ:外部サービスの変更。5つのうち4つは、開発の前の契約と設計で防げる

AIエージェント構築の受託の5つのリスクと対策

  • AIの誤答:誤答の責任の範囲と、人が確認する箇所を契約に書く(検収の基準とあわせて決める)
  • 範囲の広がり:対象外の作業を見積書に書き、範囲外の依頼は金額と納期を書面で決めてから受ける
  • 個人情報と機密:AIに渡すデータを必要な分に絞り、学習に使われない設定とサービスを選ぶ
  • APIの料金:依頼主のアカウントで払う形にし、利用額の上限と通知を設定する
  • 外部サービスの変更:モデルの変更や提供終了への対応を保守の作業に含める

契約で決める項目は「AIエージェント受託の契約」の章に、APIキーの管理は「AIエージェントの納品と保守」の章にあります。

AIエージェント構築の受託が向いている人・向いていない人

AIエージェント構築の受託が向いているのは、自分の業界の業務を、手順に分けて説明できる人です。AIに任せる範囲を決める業務の整理が、受託の最初の工程だからです。

AIエージェント構築の受託が向いている人。受託の最初の工程は、AIに任せる範囲を決める業務の整理。向いている人:業界の業務の流れを知っている、見積もりと契約を自分で行える、納品後も保守で付き合える。向いていない人:ツールの操作だけを覚えたい、契約を依頼主に任せたい、納品したら終わりにしたい。向いているのは、業界の業務を手順に分けて説明できる人
向いている人向いていない人
業界の業務の流れと、依頼主が困っていることを知っている人業務の整理をせず、ツールの操作だけを覚えたい人
見積もり・契約・請求を自分で行える人契約の取り決めを依頼主に任せたい人
納品後も、月額の保守で依頼主と付き合える人納品したら終わりにしたい人

プログラミングを本格的に学び、エンジニアとして就職したい人には、AIエージェントの受託より、プログラミングスクールや職業訓練のほうが目的に合います。

AIエージェント受託を学べる講座

AIエージェントの構築と受託の進め方は、講座で学ぶこともできます。

COACH AIとは

COACH AIは、未経験・非エンジニアの方が、副業からAI受託・AIコンサル・AI顧問などのAI事業を立ち上げ、独立・事業化からM&Aまで目指せるよう、専属コーチがマンツーマンで伴走するスクールです。

プログラミング経験は不要で、ノーコードのツールから始められます。

受講生の受注の報告と、契約書のひな形の共有は、受講生用のチャットで行っています。エンジニアとして就職したい方や、自分の業務の効率化だけが目的の方には向きません。詳しくはCOACH AIのページをご覧ください。

まとめ

AIエージェント構築の受託は、業務の整理から保守までを請け負う仕事です。依頼の型を決め、段階ごとに見積もって契約を書面で決め、納品後は保守を月額で受けます。

AIエージェント構築の受託の要点。依頼の型を決め、段階ごとに見積もって契約し、納品後は保守を月額で受ける。1 依頼の型を決める(答える・作る・集める・つなぐ)、2 段階ごとに見積もる(検証・本開発・保守)、3 契約を書面で決める(契約の形・権利・データ・責任)、4 納品し保守を受ける(依頼主のアカウントで)。受託の要は、段階ごとの見積もりと書面の契約
  • 依頼は、AIに任せる作業で「答える」「作る」「集める・つなぐ」の3つに分かれます。
  • 受講生の報告では、開発(一括)が30万〜70万円(2件・2026年10月)、月額の伴走・保守が月10万〜80万円(受注・提示額・予算の計4件・2026年9〜10月)でした。
  • 最初の依頼主は、自分の業界の業務でデモを作り、知り合いや取引先に見せて探します。
  • 見積もりは検証・本開発・保守に分け、契約では契約の形・成果物の権利・データ・AIの誤りの責任を書面で決めます。
  • 納品は依頼主のアカウントで行い、保守の月額には作業の範囲と月の作業時間の上限を書きます。

受託の実績を積んだ先の事業の売却は、AI受託のM&A事例にあります。

よくある質問

プログラミングができなくてもAIエージェントの構築を受託できますか?

受託できます。n8nやDifyは画面上で部品をつないで作り、Claude CodeやCodexは日本語で伝えるとAIがプログラムを書きます。基幹システムの改修など、止まると業務が止まる依頼は最初は受けません。

会社員の副業で受けても問題ありませんか?

勤め先の就業規則で副業が認められているかを先に確かめます。給与を1か所から受け、その全部が源泉徴収の対象になる人は、給与所得と退職所得以外の所得の合計が20万円を超えると確定申告が必要です(国税庁 No.1900)。副業の始め方はAI副業の始め方にあります。

AIの回答が間違ったときの責任は誰が負いますか?

契約の形と、契約に書いた内容で決まります。誤答の責任の範囲、人が確認する箇所、検収の基準を契約書に書き、AIの出力を人が確認してから使う設計にします。

APIの料金は誰が払いますか?

依頼主のアカウントでAPIキーを発行し、依頼主が直接払う形が基本です。立て替える場合は、実費の請求方法と利用額の上限を見積書に書きます。

保守を断られたらどうすればよいですか?

保守なしで納品する場合は、納品後の修正を有償の個別対応にすると契約書に書きます。AIのモデルの変更や提供終了で動かなくなる可能性も、納品時に書面で伝えます。

契約書のひな形はどこで手に入りますか?

JDLAの「生成AI開発契約ガイドライン」(無料)と、IPAの「情報システム・モデル取引・契約書」が、各団体のウェブサイトからダウンロードできます。ひな形は、案件の範囲に合わせて直して使います。

出典

この記事の事実は、2026年11月5日に各機関・各社の公式ページで確認しました。受講生の受注の金額は、COACH AIの受講生が2026年4月〜10月に報告したもので、件数が少ないため相場を示すものではありません。料金・制度は変わることがあるため、最新の情報は各公式ページで確認してください(更新日:2026年11月5日・監修:株式会社AITECH CEO 小森谷 祐太)。

この記事の監修者

株式会社AITECH CEO

小森谷 祐太

新卒でSEとしてキャリアをスタート。エンジニア育成スクール「COACH TECH」の認定講師を務める。2025年に株式会社AITECHを創業し、CEOに就任。法人向けAI研修、AIエージェント開発、業務自動化支援を行う。AIコンサルタント養成スクール「COACH AI」を運営。

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AIエージェントの構築・業務自動化の支援、法人向けAI研修、AIコンサルタント養成スクール「COACH AI」の運営を行う株式会社AITECHの編集局。

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